国立新美術館で開催中の『ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会』へ行ってきました。
本展は、戦前から現代まで、75年の日本の独自に育ったファッションの歴史を「プロローグ」と「8つの章」で通観できる贅沢な内容の展覧会です。
洋服が好きな方にはもちろんおススメですが、洋服を軸とした各時代の流行、文化、社会情勢を当時の映像や雑誌、ポスターなど膨大な展示物で語られているためファッションに興味がなくても楽しめます。
本記事では展覧会の見どころや販売されている限定グッズで実際に購入したものをご紹介します。
「行こうか悩んでいる・・」、「行けないからどんな雰囲気だったか知りたい」という方は参考にしていただけたら幸いです。
時系列に沿ったプログラム構成
本展は時系列の10年単位で区切った章立てとなっており、わかりやすく見やすい会場構成でした。
以降で詳細に解説しますが、とにかく展示数が多く見ごたえがあるためじっくり鑑賞したい人は2~3時間は時間をとっておくのをおススメします。
※歩きやすい靴で行くのをおススメします。
・プロローグ│1920年代-1945年 和装から洋装へ
https://fij2020.jp/highlight.html
・1945-1950年代 戦後、洋裁ブームの到来
・1960年代「作る」から「買う」時代へ
・1970年代 個性豊かな日本人デザイナーの躍進
・1980年代 DCブランドの最盛期
・1990年代 渋谷・原宿から発信された新たなファッション
・2000年代 世界に飛躍した「Kawaii」
・2010年代 「いいね」の時代へ
・未来へ向けられたファッション
膨大な数の服飾コレクションの展示
服飾コレクションだけで315点もの展示を楽しめます。
この膨大な数の服飾コレクションは島根県立石見美術館、神戸ファッション美術館の貴重な所蔵品だけでなく、多くのブランドやアパレルメーカーの協力を得ているためのようです。
そのため、本展はいわゆるファッションショーで使用されるような見て楽しむ洋服だけでなく、消費者としてリアルに体感した各時代のアイコン的作品や資料が展示されているのが特徴的です。
例えば1994年に販売が開始されたUNIQLOの初期フリースであったり、ギャルブランドで一大ブームを築いたALBA ROSAのハイビスカスコートなど社会現象になったアイテムはファッションの知識がなくても純粋に楽しむことができます。
戦時中の「もんぺ」から1990年代の「ヒステリックグラマー」、2010年代の「sacai」まで、75年間の幅広い服飾コレクションが一堂に会しているのはとにかく圧巻です。
時代を投影した希少な資料
本展はマネキンに着せた服飾コレクションだけではないんです。
見どころはその時代のファッションを象徴する希少な資料の数々です。
雑誌、写真、CM映像、音楽など様々なメディアの資料が展示されています。
下記一例ですが印象に残ったものを記載しておきます。
- 中原淳一が1946年に創刊した雑誌「それいゆ」
- 1960年代レナウン「イエイエ」のCM映像
- 1970年代 ジュンのCM映像
- ポパイ創刊号
- 約6.5坪のBEAMS一号店の店内模型
- 渋谷ギャルたちの写真資料
などなど、、ブランドに詳しくない方でも楽しめる展示となっています。
ファッションを軸に思い出に浸れる
本展の会場の雰囲気として印象的だったのは、親子で鑑賞しながら懐かしんでいる様子が散見されました。
特に母・娘のペアが多かった印象です。確かにそれぞれの青春時代の思い出に浸りながら見るのもいいかもしれないです。
私自身も友人と鑑賞しても楽しかっただろうなと少し思いました。
実際、私がまだ生まれていない1945~1980年前半のエリアでは「知らない情報を知識にする」学ぶ楽しさで展示物を鑑賞していましたが、物心もついた1990年代以降のエリアでは、展示されたAPEのジャケットを見て「これ欲しかったな」であったり、雑誌TUNE(チューン)がずらっと陳列して展示されているのを見ると高校時代に友人と読んだのを思い出し「この時楽しかったな~」などなど。
実家の奥底にしまってある写真や思い出グッズを久々に引っ張り出して見たような、懐かしい感情が高まりました。
ひとつの展覧会で鑑賞する姿勢が変化するのも、「ファッションは時代を映す鏡」であり、本展が各時代のファッションを軸とした流行の「作り手」と「受け手」双方を意識した展示内容となっているからこその楽しみ方ではないでしょうか。
購入グッズのご紹介
本展で購入したグッズをご紹介します。
グッズ数も豊富で相当悩んでしまいましたが以下2点を購入いたしました。
ファッション イン ジャパン 図録
展示内容を1冊に纏めた本展の図録です。
作品についてはカラー写真で掲載され解説もついています。この1冊を読めば相当勉強になります。
後半には国立新美術館研究員の方など関係者の本展にまつわるファッション考察記事も掲載されており充実の内容です。
また、カバーをはすずとファッションに関する流行語がデザインされているなんて仕掛けもありました。
この内容で3,850円は安すぎると思いました。永久保存版です。
BEAMS初期(1977年頃)のショップバッグ
本展の為に制作された、1970年代後半のBEAMS創業時の店舗に掲げられた初代ロゴをプリントしたスーベニアグッズです。
当時のものはペーパーショップバックでしたが、こちらは素材は紙ではなくペーパーバッグの風合いを再現しています。
中もビニールのような素材感で強度についても問題なく普段使いで使用できます。
まとめ
以上、『ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会』の感想と見どころを紹介させていただきました。
非常にボリュームある内容で、まだまだ書ききれていません。
感染症対策も徹底されていたので、安心して鑑賞することができます。
会期は9月6日(月)までとなっているので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
展覧会基本情報
展覧会名:ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会
https://fij2020.jp/
会場:国立新美術館 企画展示室1E
会期:2021年6月9日(水)~9月6日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
(開館時間は変更になる場合があります
コメント